凡庸京大生の自由帳

京大卒ニートの自由帳

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『ホロリスニング』英会話本レビュー:難易度・感想・気になった部分など


2023年9月29日に、ホロライブから英会話本なる書籍、『ホロリスニング ホロライブEnglish -Myth- と学ぶ 不思議な世界の英会話!』が出版されました。

 

ホロライブENを用いた教材動画を投稿している身として、これはチェックせねばと思い購入しました。

 

音声自体はもうすでに何度も聞いていたのですが、書籍の中身は全然読めておらず、かなり遅めのレビューとなってしまいました。

 

教材としての難易度、良いと思った点・悪いと思った点、面白いと感じたところなど書いていきます。

難易度

音声については、流石に配信で喋ってる感じそのままではないものの、リスニング教材にありがちな不自然なまでの綺麗すぎる発音ではないです。

よって、普段の彼女らの配信よりは聞き取りが容易であるものの、依然として難易度は高めです(当然TOEICよりも難しいと思います)。

 

しかし裏を返せば、このくらい英語が砕けていて、このくらいの長さ(合計42分)で、スクリプトと日本語訳付きで、さらに軽い解説もついている教材は結構貴重なんじゃないかと思います。

 

 

各メンバーについて、普段の配信と比べてどれくらい話し方に差異があると感じたかを以下に記します。

 

全員普段の配信より若干スピード遅めになっていることは当然として、Calliope, Ina'nis, Kiaraは普段の配信と違いすぎるというわけではありませんでした。

 

Ameliaに関しては明らかにいつもより遅めで、かつハキハキと喋ってくれていました。

余談ですが、Ameliaは台本を読む時、緊張からか声が普段より高くなります。

今回の教材でもそれが感じられました。

 

Guraもいつもよりも結構遅めに感じました。

ただ、これは以前投稿した動画でも言及したことなのですが、Guraの英語の難しさは、間を置かずに次の文章にどんどんいってしまうことだと思います。

 

文章と文章の間が気持ち空いてくれたら聞き取りやすいんだろうな、と感じていましたが、今回それを確認できました。

セリフ内で文章がちゃんと区切られていて、結構聞き取りやすかったです。

良いと思った点

読んで最初に感じたのが、思ったよりもちゃんと”教材感”があったということ。

 

失礼な話ですが、ホロライブメンバーの音声付きというだけでファンは喜んで買うであろうことから、そんなに頑張った作りにしないのではと発売前は思っていました。

 

しかし中身を見てみれば、レイアウト・配色などは見やすいですし、英語に関しては会話で使える表現の他、日本の学校教育では馴染みのないもののネイティブがよく使う表現なども盛り込まれており、普段の配信理解にもつながる内容だと思いました。

 

また、あるチャプターで出てきた表現が、後ろの別チャプターでも再登場したりしていて工夫が感じられました。

 

表現確認用の穴埋め問題があったり、〇〇で使える英語表現のコーナーがあったりと、なかなかボリューミーです。

 

 

たとえこれらの要素を無視したとしても、前述の通り、この準ナチュラルスピードの音声全てにスクリプトがついてる時点で、ホロライブENファンなら買って損には思わないと思います。

悪いと思った点

良い点ばかり言ってもしょうがないので、少し気になってしまった点も書きます。

 

色々な表現を詰め込みたかったというのは分かるのですが、もう少し体系的な作りにしてくれたら、読者の頭に内容が残りやすかったのでは思ってしまいました。

 

例えば、p.23にshould have p.p.の表現が紹介されており、p.35ではmight have p.p.が紹介されています。

 

別々に紹介されているわけですが、これらは助動詞 + have p.p.ということでまとめた方が、表現の幅を自分で広げやすくなるのではないでしょうか。

 

ただそうは言いつつも、この本は文法書では当然なく、あくまでストーリーを楽しみながら使える表現を学ぶというものだと思うので、それを実現するのは求めすぎではあるかもしれませんね......

気になった部分

最後に、音声を聞いたりスクリプトを読んだりして興味を惹かれた、おもしろポイントについて少し書きます。

 

まず、p.40の最初のCalliopeのセリフ。

スクリプトには"It’s so annoying not to have a smartphone handy."と書いてありますが、音声では"It’s so annoying to not have a smartphone handy."と言っています。

 

学校では「notは必ずtoの前に置く」と叩き込まれますが、実際ネイティブの英語を聞いているとto notの順番は普通に聞きます。

今回もそれが起きていて、恐らくCalliopeは無意識に普段の感覚でto notの語順で言ったのかなと思いました。

 

 

次に、p.65のAmeliaのセリフ。

"I nearly forgot."で「ほとんど忘れていた」という意味ですが、これは解説にもあるとおり"I almost forgot"でも可です。

 

nearlyの方がイギリス英語で使われることが多いらしいのですが、これはWatson Ameliaがイギリス()の探偵であることから、敢えてnearlyを使ったのかな?と思いました。

(まぁこれについては、ただの自分の思い込みである可能性は大いにあるでしょう...)

 

 

また、p.114の最初のAmeliaのセリフ。

二文目の"Oh, the rubble's sliding off it"ですが、音声では"Oh, the rubble's sliding off of  it"と言っています。

 

これらにほぼ差異はないそうです。厳密に言えば、off ofは誤った文法ということになるものの、アメリカ英語では普通に見られるよう。

このトピックを扱ったスレッドがあったので一応貼っておきます)

 

スクリプトの草稿のようなものの読み上げ音声を収録して、その後のテキストに載せる段階でスクリプトを校正しているのか(そんなことありえる?)、それとも校正済みのスクリプトを読み上げているものの、いつもの癖で無意識にスクリプトと違うように読んでしまったのか気になるところですね。

 

なんにせよ興味深く、楽しく聞くことができました。

他にもおもしろポイントとして気づいたものがあるという方は是非教えてください。

終わり

以上がレビューになります。

 

最後に注意点ですが、少なくとも現時点では電子書籍版に音声は付属しないので、音声を聞きたいなら、物理媒体で買いましょう。

 

音声がDL版じゃないっていうのは今どき珍しい気がしますね......

次に同じような教材がでるなら、ぜひとも音声はDL可能にしていただきたいですね。

 

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